現代の進んだ科学によってエイズ感染に有効な治療薬がもうすぐ開発されるだろうと思う人が多いでしょう。ここにも問題が多いのです。
臨床上エイズの問題は細菌・真菌・原虫・ウイルス等による日和見感染です。細菌による日和見感染に対してはよい薬があります。真菌、原虫による日和見感染にもかなり有効な薬があります。
ウイルスに対する有効な薬は、一部のウイルスを除けばまだまだです。これらの薬で日和見感染をひとつずつ治療しても、「免疫能の低下は治せません」から、また次の日和見感染が起こり、しまいには手に負えなくなり、死に至ることになります。
エイズワクチンが難しい理由
1、HIVを予防するためのメカニズムがよくわかっていない。
2、適当な動物実験モデルがない。
3、エイズの潜伏期間が長い。
4、HIVの表面蛋白質が刻々と変化するため、あるHIVに効果のあるワクチンをつくっても、別のHIVには効果がない。
5、HIVは私たちの細胞の遺伝子の中にも組み込まれてしまい、いったん組み込まれたHIVに対しては、ワクチンの効果も期待できない。
早期発見、早期治療
治療法は近年めざましく進歩しており、完全なウイルスの排除はまだできないものの、エイズの発症をおさえる薬は開発されています。早期発見、早期治療がとても大切です。
確認検査を終え、最終的に感染がわかれば、治療方針を決めます。現在は、数種類の薬剤を服用することによってエイズの増殖を抑える治療が効果をあげています。残念ながらエイズを体内から完全に消すことはできません。また、副作用や治療にかかる費用も膨大です。
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