北アメリカ・西ヨーロッパ

全体的に、HIV感染の主なパターンが変化しつつあるいくつかの国で、予防努力が変化する流行
形態に追いついていません。さらに米国における流行も、社会的弱者を窮地に追いやっています。

HIV感染者数 女性の感染者数 新規HIV感染者数 成人HIV陽性率(%) エイズによる死亡者数
2005 190万 49万 6万5千 0.5 3万
2003 180万 45万 6万3千 0.4 3万

特徴

抗HIV療法が広範囲に利用されているため、エイズによる志望件数は、約3万件と比較的低いレベルに押さえられています。全体的に、HIV感染の主なパターンが変化しつつあるいくつかの国で予防努力が変化する流行形態に追いついていません。少数の国では、男性間のセックス、注射器による薬物使用がHIV感染の重要な経路であり続けていますが、無防備な異性間性交渉で感染する人の数が増加しています。

アメリカ合衆国

2003年についにHIV感染者が100万人を上回りました。感染者数が増加しているのは、HIV感染者が、抗HIV療法によって長く生きるようになっているためですが、一方で流行の10~15年間で達成された予防措置の性交を適応・維持させることに失敗していることも原因です。

米国でHIV感染者の人々の大多数は、男性とセックスをする男性であり、最新の入社可能なデータによれば男性間のセックスが、2003年度における新規HIV感染者診断件数の63%を占めていました。近年では、リスクの高い行動の報告件数が増加しており、そのある部分は明らかに、気晴らしのための薬物使用に感染しています。しかしながら、ボルティモア、ロスアンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンフランシスコにおける新しい調査では、様々な流行が明らかになっています。

例えば、サンフランシスコにおける男性とセックスをする男性のHIV感染率は、以前推定されていたよりも低いように思われます。しかし、ボルティモアでは、8%のHIV発症率が、男性とセックスをする男性で検知されています。調査に参加した男性の40%がHIV陽性で、その62%が自ら感染していることに気づいていませんでした。全般的に、米国ではHIVと共に生きている人々の4分の1は、自らが感染していることに気づいていないと考えられます。

米国における流行の注目をひく特徴のひとつは、HIV感染がアフリカ系アメリカ人に集中していることです。アメリカ全人口に占める割合は12.5%ですが、新規HIV発症件数の48%を占めていました。HIV感染のアフリカ系アメリカ人は男性が多数を占めていますが、アフリカ系アメリカ人の女性もその全人口に対する割合は不釣り合いなほど多いです。アフリカ系アメリカ人の女性は白人女性に比べてHIV感染する可能性が12倍以上に達すると言われています。

カナダ

カナダでは2004年末までに5万8千件のHIV診断件数が報告されていますが、流行状況は変化しつつあります。過去5年間で年間新規HIV感染者数は20%増加しています。さらに、女性が新規HIV感染者数の4分の1を占めるようになってきました。

こうした流行は、異性間性交渉を原因とするHIV感染者数の割合が増加していることを示しています。異性間性交渉を原因とする新規診断件数の4分の1は、サハラ砂漠以南のアフリカやカリブ海沿岸諸国などの抗陽性率諸国からカナダにやってきた人々の間で起こったものでした。

同時に、注射器による薬物使用も女性におけるHIV感染の腫瘍感染形態で増加しています。全体的に言って、男性間のセックスがカナダの流行における単一の最も有力な要因であり続けており、新規HIV感染者数の45%をしめていいました。

年間新規HIV感染者数は低下しましたが、1994年から2004年にかけて、アフリカ系カナダ人の新規HIV感染者数は8.3%から15.5%、先住民カナダ人の新規HIV感染者数は2.3%から14.8%に増加しました。

西ヨーロッパ

西ヨーロッパでは50万人以上のHIV感染者がいます。その数は、複数の国でリスクの高い性行動が復活する兆候が見られるにつれて増加し続けている。西ヨーロッパにおける最大の変化は、複数の国で新規HIV感染者の主な原因として異性間性交渉が出現したことです。2004年の2万件以上の新規HIV感染診断数の中、3分の1以上が女性であった。新規感染診断件数の中のほとんどが、主にサハラ砂漠以南のアフリカの国々など深刻な流行を抱える国々の出身の人々でした。

タイトルとURLをコピーしました