アジア

アジアにおける国家レベルのHIV感染レベルは、特にアフリカなどのその他の大陸に比べれば低いです。しかし、多くのアジア諸国は極めて大きな人口を抱えているため、国家レベルの陽性率が低くても、相当数の人々がHIVと共に生きていることを意味しています。

HIV感染者数 女性の感染者数 新規HIV感染者数 成人HIV陽性率(%) エイズによる死亡者数
2005 830万 200万 110万 0.4 52万
2003 710万 170万 94万 0.4 42万

特徴

アジアにおける多くのエイズの流行の中心にあるのは、注射器による薬物利用とそのほとんどが商業的な無防備なセックスの相互作用です。しかしながら、この地域のほぼすべての国で、そのようなリスク行動の組み合わせが存在するという事実があるにもかかわらず予防戦略がほとんど反映されていません。その結果、アジアにおける流行の多くは、今日までエイズの拡大が抑止されている国々も含め過渡期状態にあります。

中国

エイズは中国の48%の県で、また、31省、自治区および直轄市のすべてで確認されています。拡大中の流行を抑止するためには、予防努力の強化が必要になります。今日までのところ中国における最も深刻なエイズの流行は、特定の国民グループ(注射器による薬物使用者、セックスワーカー、元血漿献血者など)です。とくに女性のセックスワーカーの大多数は、僻地の農村部出身が多く、教育レベルも低く、エイズについての知識がほとんどありません。 さらにコンドームなしで売春行為に及ぶ女性は、不潔な注射は針を使用している可能性も高いようです。また、特定の地域、特に同国の南部および西部に集中しています。

インド

多用な形態の流行が進行中のインドでは、いくつかの州を除いて未だにHIV感染の拡大が進んでいます。その結果、全体的なHIV陽性率は高まり続けています。農村地帯の妊婦の1%以上がHIV感染であることが判明しました。現在、または過去にセックスワーカーを頻繁に利用していた夫から感染したようです。インドの北東部では、性交渉によるHIV感染はもちろん、注射器による薬物使用の重複感染が非常に顕著でもあります。インドの多用な流行の中で男性同士のセックスがどのような役割を果たしているかわかりませんが、チェンナイ地区の6%の男性が男性との性交渉を経験していたことも興味深い話です。

インドネシア

インドネシアでは、エイズの流行が急速に深刻かする瀬戸際にあります。主に薬物使用による流行がすでに群島国家の遠隔地にも広がっています。HIV検査サービスでは、驚くほど高い感染率が検知されていて、検査を要求した70%以上の人々が、自らHIVに感染していることを発見しています。しかもこれらの患者はほとんどが若く、比較的高い教育水準を誇っているようです。多くのエイズ患者は、清潔な注射針の入手方法を知っているのに90%以上の人が不潔な注射器具を使用しています。このような情勢を変えるには、エイズに関する情報提供や意識を換気するキャンペーン以上の試作が必要だと思います。

ベトナム

注射器による薬物使用とセックスワークがきわめて大規模に重複していることがベトナムの深刻な流行の呼び水担っています。2000年から倍増し、2005年には推定26万人にもなっています。平均年齢は25歳と若く、不潔な注射針の使用はきわめて一般的です。不潔な注射針の使用やリスクの高い性行為を減らすプログラムが不可欠です。それと同時にセックスワーカー、その客、そして彼らのその他の性交渉の相手間のHIVの性的感染を減らす戦略も欠かせません。「社会悪」と戦うといった懲罰的なキャンペーンは、薬物中毒者やセックスワーカーを裏社会に潜り込ませる傾向があるの注意が必要です。

パキスタン

パキスタンでは、薬物中毒者やセックスワーカーの高いレベルのリスク行動とエイズに関する知識不足の組合せがエイズの急速な拡大を助長しています。新しいデータでは、同国は深刻はHIV流行の瀬戸際にあります。的をしぼった予防プログラムが、エイズの拡大をくい止めるために緊急に必要となっています。

その他の国

近年になって、予防努力は強化されてきましたが、その努力もなく薬物中毒者やセックスワーカー以外のリスクの低い人口集団の間でも広範囲にわたって拡大してきています。アジアの国々は、大規模で包括的な予防サービスを最も必要としています。そしてそれはそれぞれの国に実態に合わせて考えていかなければならないと言えるでしょう。

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