いわき明星大ら共同研究グループ、抗HIVたんぱく質アクチノヒビン基礎的メカニズム解明に成功
2009年8月26日
HIV(エイズウイルス)感染を阻止できる新しいたんぱく質アクチノヒビン(AH)の研究を進めているいわき明星大薬学部教授の田中晴雄副学長(69)ら共同研究グループは、AHの立体構造と特異性質の解明に成功し、HIVの細胞への感染を選択的に阻止する新しい仕組みを明らかにした。研究成果は今週にも発刊される、総合学術雑誌として権威のある米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されることになっている。AHの基礎的なメカニズムが解析されたことにより、実用化に向けて大きく前進する。田中副学長は1999年に、土壌微生物からAHを発見。同大の関口武司学長など教員や、在籍していた北里大の教員など15人の共同チームで構造解析を進め、作用機構が判明した。HIV表面にある、たんぱく質の一種「gp120」が持つ「糖鎖」と呼ばれる部分が免疫細胞に接着・侵入し、肺炎などさまざまな症状を発生させる免疫不全を引き起こす。AHはgp120の糖鎖と結合する性質を持っており、結合によってHIVの細胞への感染を阻止することが明らかになった。また、副作用の可能性も少ないことがわかり、より安全な薬剤の開発が期待される。
田中副学長らはAHが体内で効果を発揮するために橋渡し役となる誘導体の作成にも成功しており、ウサギを用いた実験で安全性を確認している。HIVはヒトのみが感染するため、今後はHIVと似た構造のサルエイズウイルス(SIV)の感染予防試験を本年度中に計画している。チームから試料の提供を受けたWHO(世界保健機構)は実施した予備評価試験の結果が良好で、興味を示しているという。
SIVの試験が成功した場合は、WHOとの共同開発を進めていく方針で、早期の実用化に向け、はずみがつきそうだ。田中副学長は25日、市役所で記者会見し、研究内容を説明した。「基礎研究がある程度終了し、メカニズムや安全な薬になることが分かってきた。予防、治療薬に向けて研究を展開し、いわきの地から世界へ向けて発信できるよう頑張りたい」と話した。
アジア女性5000万人がHIV感染の危険に、主因は「男性の風俗通い」--国連エイズ合同計画
2009年8月13日
2009年8月11日、アジア女性の約5000万人がHIV感染の危険にさらされていることが、国連エイズ合同計画(UNAIDS)の報告で明らかになった。12日付で中国新聞網が伝えた。
インドネシアのバリで開催中の第9回「アジア・太平洋地域国際エイズ会議(ICAAP9)」で報告された。それによると、アジアにおけるHIV感染者およびエイズ患者の発生状況は各国で異なるが、どの国も蔓延の原因は、「コンドームをつけない商業的性行為」「薬物使用者間の注射針の共有」「男性同性愛者間のコンドームをつけない性行為」とされている。
感染媒体で最も多いのは「風俗通いをしている男性」だが、それら男性は既婚か恋人がいるケースが多いという。アジア女性のHIV感染者170万人のうち、「夫または恋人からの感染」は90%以上に上る。アジアにおける女性感染者の割合は90年の17%から08年には35%に上昇した。
UNAIDS は、アジアの多くの国では男尊女卑の考え方が根強く残っており、女性の婚前・婚外交渉には厳しく、男性には寛容という風習が横行していると指摘。こうした不平等をなくし、男性の風俗通いをなくすことがアジアにおける感染拡大を防ぐ大きなポイントだと報告された。