HIV抗体検査の結果が出るまでの間に

一般に、検査を受けてから結果を聞くまでの間が、一番ストレスや不安が高まると言われています。ストレスが高じて、不眠やイライラ、抑うつ気分といった精神症状や、食欲不振、発熱、寝汗、あるいはもっとほかの身体症状が出る場合もありますので、あらかじめ自分がそうなるかもしれない、ということを知っておいてください。


それらの精神症状があまりにもひどくてつらい場合は、精神科や神経科、メンタルクリニック、あるいはかかりつけのお医者さんに「それらの症状について」相談してみるという方法もあります。必ずしも「HIV感染が不安で眠れない」などと原因を話す必要はありません。何で悩んでいるか、言いにくければ黙っているという手もあります。軽い精神安定剤や入眠導入剤で、少しは楽になれるかもしれません。
さらに、たとえそのような症状が出ても、それらとHIV感染とをあえて結びつけて考えないことが大切です。感染がわかってからでも十分にいろいろなことを考える時間はあります。この間に焦って大事な決定を下す必要はありません。むしろ、大切な決定は後に回しましょう。
難しいかもしれませんが、できる限りゆったりと過ごせるように工夫してみましょう。場合によっては友人を誘ってご飯を食べにいくとか、ひとりで過ごす時間を極力少なくするとか、何かほかに熱中できることをやってみるとか、あるいは逆に、ひとりで気兼ねなく心静かに過ごしてみるとか、試してみるといいかもしれません。

念のため、セーファー・セックスを

抗体検査を受けようと決心した時の気持ちを思い出すことができますか? 何か感染したかもしれないと思われる心当たりがあって、検査を受けているのでしょうから、結果が判明するまでは、一応「感染している」と想定して生活したほうがいいでしょう。つまり、ほかの感染症にかからないように注意し、逆に人にうつさないよう、自分の血液・精液・膣分泌液・母乳の取り扱いには気をつけてください。性交渉の際にはコンドームを使うなど、セーファー・セックスを実行しましょう。
なお、検査結果を聞きにいくに当たって、指定された日時ではどうしても都合が悪いとか、とてもじゃないが(不安が大きすぎて)聞きにいけるような心境ではないというようなこともあるかもしれません。
そのような場合は、率直にその旨を検査を受けたところに電話してみてください。検査の結果を聞くというのは、あなたにとってとても大事な経験ですから、十分に時間の余裕がある時や心の準備が整った段階で聞いても遅くないと思います。むしろ、そのほうがいいかもしれません。日時の変更をお願いしてみましょう。
あるいは単に相談することで、気持ちが落ち着いて、聞きにいけるような心境になるかもしれません。エイズ予防財団やNGO(民間のボランティア団体)が行っているHIV専門の電話相談もありますから、まずはひとりで抱え込まないで相談してみましょう。

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